もうすぐ始まる確定申告に伴い、
準備を始められているフリーランスの方も
多いかと思いますが、
その中で悩ましいものの一つが
「家事按分」ではないかと思います。
今回は、家事按分について
紹介します。
家事按分が必要な経費とは
まずは、「家事按分」が必要な経費ですが、
支出の内容が事業とプライベートに
混載するような支出となります。
具体的には、以下のような経費は、
事業とプライベートが混ざっている
可能性が高いと言われています。
・家賃(事務所兼自宅)
・電気代
・通信費
・ガソリン代(事業と自家用の兼用)
上記のような支出は、事業の部分と
プライベートの部分が混ざっており、
そのうち、事業の部分だけ抜き出して
必要経費に算入する
という作業が必要になります。
それでは、次の章からは
具体的にどのように事業部分を抜き出すのか
をご紹介します。
![画像](https://assets.st-note.com/img/1674085765475-0ssC6ZUeuK.jpg)
どのように按分計算するのか
それでは、各々の経費を
どのように按分するのかですが、
特に明確な決まりはなく
個々の事情に合わせて合理的に按分比率を求める
ことになります。
よって、自身の事業の実態に合わせて
合理的に比率を求める作業が必要となります。
それでは、個別に一般的な
算定方法をご紹介します。
家賃
家賃の按分計算について、
最もよく使われるのが、「面積比」です。
全体の面積に対する
事務所や倉庫などで使用している
面積の比率を求める方法です。
◆具体例
全体の面積:50㎡
事務所の面積:10㎡
事業の比率:10㎡÷50㎡=20%
上記の具体例では、
家賃のうちの20%が事務所と考え
必要経費に算入します。
電気代
次に電気代ですが、「業務の時間」により
按分する方法が一般的です。
◆具体例
1週間の業務時間:8時間×5日=40H
1週間の時間:24H×7日=168H
事業の比率:40H÷168H=23.8%
上記の例では、1週間のうちの業務の時間である
40H(23.8%)分の電気代を必要経費に
算入する方法です。
その他にも、コンセントの数で
事業比率を求める方法等もあります。
通信費
インターネットなどの使用料ですが、
業務中ずっとインターネットを使用する場合には、
「使用日数」から算出する方法が考えられます。
◆具体例
1週間の稼働日数:5日
事業の比率:5日÷7日=71.4%
上記のように、常にインターネットを使用する場合には、
日数で計算する方法が簡単です。
ただ、インターネットを事業以外にも利用する場合は、
「使用時間」から求めましょう。
◆具体例
1週間の総使用時間:10H×7日=70H
1週間の業務使用時間:8H×5日=40H
事業の比率:40H÷70H=57.1%
プライベートでも使用する場合は、
使用時間で算出するようにしましょう。
ガソリン代
ガソリン代ですが、最も合理的なのは
「走行距離」で求める方法です。
◆具体例
1ヶ月の走行距離:1,000km
1ヶ月の業務での走行距離:100km
事業の比率:100km÷1,000km=10%
上記の例では、10%を
事業の必要経費として算入します。
その他にも、
事業で使用した「日数」で算出する
方法も考えられます。
会計処理は?
それでは、具体的には
どのように会計処理をするのかですが、
以下の具体例の通りとなります。
◆具体例
1年間のガソリン代が120,000円の場合
事業の比率:10%
支払時の会計処理:全額車両費に計上
(借方)事業主貸 108,000円 / (貸方)車両費 108,000円
上記の例では、年間のガソリン代120,000円のうち、
10%の12,000円を車両費として必要経費に算入し、
残りの108,000円は、プライベート分として
「事業主貸」へ振替を行っています。
会計ソフトを使用している場合は、
上記のような仕訳を
手入力することになります。
なお、会計ソフトによっては
自動で計算する機能もあります。
ここでは、マネーフォワードの
クラウド確定申告の機能について、
ご紹介します。
「家事按分」の使い方 | マネーフォワード クラウド確定申告サポート<マネーフォワード クラウド確定申告>「家事按分」の使い方。ご不明点、困った時はこちらをご確認ください。biz.moneyforward.com
マネーフォワードでは、
「家事按分」機能が備わっています。
こちらでは、家事按分比率を
あらかじめ設定しておくことで
先程の仕訳が自動で作成されます。
その際に重要になるのが
「補助科目」を設定することです。
場合によっては、同じ勘定科目のなかでも
家事按分が必要な場合と
家事按分が必要ない場合が
存在する可能性があります。
その場合、日々の経理処理において、
家事按分が必要な科目と必要のない科目を
「補助科目」で区別しておくと
上記の問題が解決され
非常に便利です。
まとめ
今回は、確定申告の際の
「家事按分」について、
ご紹介しました。
自宅と事務所を兼用する
フリーランスの方は多いかと思いますが、
間違っても家賃を100%必要経費に算入するなど、
必要以上に必要経費に算入することがないよう
注意しましょう。
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