免税事業者から仕入れをした場合(インボイス)

消費税

前回から引き続き、インボイスの買い手の場合の
検討すべき事項について紹介していきますが、
今回は、その中でも、「免税事業者」から
仕入れを行った場合に、
注意が必要な事項を紹介します。

本日の紹介は、
以下の国税庁ホームページに掲載されております
「消費税経理通達関係Q&A」より
抜粋しておりますので、
詳しくは以下のサイトをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/shouhizei_faq/pdf/all.pdf

インボイスの制度の概要

前回も紹介しましたが、
消費税は、
課税売上げに係る消費税額(預かった消費税)から
課税仕入れ等に係る消費税額(支払った消費税)を
差し引いて納付する消費税額を
計算します。

この支払った消費税を差し引くことを
仕入税額控除」といいます。

画像
国税庁パンフレットより

インボイス制度が導入後は、
この仕入税額控除を受けようとすると
一部の例外取引を除き
必ずインボイスの保存が必要
という事になります。

では、このインボイスが保存できない場合、
主には免税事業者などからの仕入れが該当するかと
思われますが、今後は「仕入税額控除」が
受けられなくなります

ただし、一気に受けられなくするのではなく、
6年間で少しずつ減らしていく措置がとられます。

具体的には、以下の通りです。

画像
国税庁ホームページより

具体的には、以下の通りとなります。

~令和5年9月30日:全額控除可能
令和5年10月1日~令和8年9月30日:80%控除可能
令和8年10月1日~令和11年9月30日:50%控除可能
令和11年10月1日~:控除不可

上記のように、インボイスが導入された
最初の3年間は、通常の80%まで可能で
次の3年間は、通常の50%まで可能となり、
令和11年10月1日より控除が出来なくなってしまいます。

なお、この80%や50%の控除を受ける場合は、
① 請求書等に記載すべき事項が記載された請求書等の保存
② 上記措置を受けていることを記載した帳簿の保存
が必要となります。

よって、インボイスじゃなければ
なんでもいい訳ではなく、
現制度上での記載事項を満たした請求書等は
取得する必要があり、
帳簿に記帳する場合も当措置であることが
わかるように記載することが必要です。


インボイスでの具体的な計算方法

では、具体的にはどのように計算するのかを
紹介していきます。

画像

上記の問いでは、令和5年10月1日に(80%控除可能期間内)
1,100万円の建物を取得し、
支払いをした場合が紹介されています。

こちらの問での処理は以下のように計算します。

消費税額80万円=1,100万円×10/110×80%
建物の取得価額1,020万円=1,100万円-80万円

(借方)建   物 10,200,000円 (貸方)現金預金 11,000,000円
    仮払消費税   800,000円

上記のように計算することになります。

よって、今後は免税事業者から仕入れた場合は、
以下の方法により仕訳をする必要がでてきます。

1. 会計ソフトに入力の際に、上記の金額になるように入力する
2. 一旦は、現状と同じように入力し、振替の仕訳を入力する

まずは、「1」の方法ですが、
現状の会計ソフトであれば、
入力の際に税込みの1,100万円のみ入力すると
消費税額は自動で計算されるシステムが多い
のではないかと思います。

よって、上記の「1」で対応する場合は、
会計ソフトで80万円になるように
設定変更をする必要があります。

このような運用が可能か
各会計ソフトのメーカーに確認するなどの
事前に確認しましょう。


次に「2」の場合ですが、
会計ソフトで「1」の対応ができない場合は、
「2」の方法で行うことになります。

現状の入力では、
税込み1,100万円を入力すると
本体1,000万円と消費税100万円と
自動で区分されると思います。

この場合、消費税が20万円過大
本体金額が20万円過少となります。

よって、次のような仕訳を追加で入力します。

(借方)建  物 20万円 (貸方)仮払消費税 20万円

上記の仕訳を追加で入力することで
会計上は、正しい数値が認識されます。

なお、注意が必要なのは、
減価償却の対象となるのは、
あくまでも1,020万円となりますので、
固定資産台帳に登録する場合、
別途振替えた20万円を
登録もれすることがないようにしましょう。

上記の「2」の対応は、
会計ソフトの設定変更などは必要ありませんが、
振替えもれがないよう、
即座に仕訳を入力するなどの
対応が必要となります。


免税事業者取引の対象となる取引

では、対象となる取引ですが、
主には免税事業者からの仕入れが多いと思いますが、
以下の仕入れが想定されます。

1. 消費者からの仕入れ
2. 免税事業者からの仕入れ
3. 登録を受けていない課税事業者

まずは、消費者からの仕入れですが、
リサイクルショップなどを想像してもらうと
わかりやすいかと思います。

リサイクルショップでは、
一般の消費者から不要となった物を買い取って
店頭で販売しておりますが、
その一般消費者からの買取の際に、
相手方の消費者からは
インボイスをもらうことは難しいかと
考えられます。


次に、免税事業者からの仕入れですが、
相手が事業を行っている事業者でも
消費税の納税義務が免除されている
免税事業者の可能性があります。

その場合も、インボイスの交付は
難しいことになります。


最後に、登録を受けていない課税事業者からの
仕入れについてです。

インボイスを発行することができるのは、
登録を受けている事業者のみとなりますが、
この登録は、事業者の任意となります。

よって、輸出が多い事業者などは、
課税事業者でありながら、
登録を受けていないという
事が想定されます。

このように、今後は、
請求書や領収書を受領した場合、
相手が登録を受けている事業者か否か
判断を個々に行っていくことが必要となります。

この判断を誰がするのかや、
その判断をする方法、
そしてその判断が正しいのかのチェック体制など
社内での体制を検討することが必要となってきます。


まとめ

今回は、免税事業者等からの仕入れについて、紹介しました。

消費税額の計算方法や登録事業者か否かの確認等
社内体制の検討も必要となります。

特に、現場担当者が業務を担当する場合
制度の周知徹底も必要となりますので
現場が混乱しないよう、早めに準備しましょう。

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