「小規模宅地等の特例」は、相続税の計算上、相続税の金額を減額できる制度として知られていますが、その適用にはいくつかの注意点があります。
本記事では、相談会で寄せられた誤解を例に挙げながら、小規模宅地等の特例の仕組みや適用条件について解説します。
特に、複数の土地を所有している場合に、どの土地に特例を適用すべきか、上限面積との関係はどのようになるのかといった疑問点について、具体的な事例を交えながら詳しく説明します。
また、特例適用による土地価格の減額効果についても触れ、読者が自身の土地に特例を適用できるかどうか、そのメリットを理解できるよう解説します。
間違えないで、小規模宅地等の特例
それでは、小規模宅地等の特例について、相談会で受けた誤解を紹介します。
誤解の内容はこちら
Q.
土地が安くなる制度(小規模宅地等の特例)は、どの土地(仮に土地が10筆あれば10筆全部)にも適用できるんでしょ?
A.
残念ながら、すべての土地には使えません!!
10筆の土地を所有していた時に、すべての土地、それぞれにこの特例を使えると勘違いされていたケースです。
残念ですが、そんなに都合よく制度はできておりません!!
次からは、小規模宅地等の特例の概要を説明します。
小規模宅地等の特例の内容
そもそも小規模宅地等の特例ですが、以下のような制度です。

この制度の大前提ですが、これは「土地のみ」の制度です。
建物には適用はありません!!
◆概要
・居住用土地:▲80%
・事業用土地:▲80%
・貸付用土地:▲50%
そして今回の誤解例のように「どの土地に使うのか?」ですが、これは「上限面積」が設けられています!!
よって、上限面積に達した時点で、この制度は終了です。
例え、100筆や1,000筆の土地を所有していようと、上限に達すれば、それ以上は適用できません!!
具体的な上限は以下の通りです。

なお、二つ以上の土地がある(併用)場合、上限は以下の通りとなります。

詳しい内容は、以下のブログでも紹介しています👇
https://note.com/embed/notes/nfe0ef79c55c8
具体例で紹介
では、具体例で紹介します。
具体例❶
◆宅地
乙:貸付用 250㎡ 48,706千円
◆適用金額
乙:48,706千円×200㎡/250㎡×50/100=19,482.4千円
◆適用後の価額
乙:48,706千円-19,482.4千円=29,223.6千円
貸付事業をしている土地「乙」について、250㎡のうち200㎡について、50%減の特例が適用され、土地の価格が19,482.4千円下がる結果となります。
具体例❷
◆宅地
A:居住用 420㎡ 76,797千円
B:事業用 320㎡ 52,672千円
C:貸付用 220㎡ 10,824千円
◆有利判定
A:居住用 76,797千円÷420㎡×80/100×330㎡=48,272.4千円
B:事業用 52,672千円÷320㎡×80/100×400㎡=52,672千円
C:貸付用 10,824千円÷220㎡×50/100×200㎡=4,920千円
∴ B>A>C
❖調整
◆適用面積計算
B:320㎡(320㎡/400㎡=80%)
A:66㎡(330㎡×(1-80%)=66㎡)
◆適用金額
B:52,672千円×80/100=42,137.6千円
A:76,797千円×66㎡/420㎡×80/100=9,654.48千円
B+A=51,792.08千円
❖併用
◆適用金額
B:52,672千円×80/100=42,137.6千円
A:76,797千円×330㎡/420㎡×80/100=48,272.4千円
B+A=90,410千円
∴ 51,792.08千円<90,410千円 → 90,410千円
◆適用後の価額
B:52,672千円-42,137.6千円=10,534.4千円
A:76,797千円-48,272.4千円=28,524.6千円
有利判定を行った結果、
①B(特定事業用)
②A(特定居住用)
に適用する事が有利と判定されました。
また、この二つの併用の場合、合計730㎡が上限面積となります。
この結果、土地の価格を90,410千円下げる効果があります。
しかし、BとAで上限面積に達したため、Cには適用がありません。
このように、小規模宅地等の特例は、どの土地に使うかによって、控除される金額が大きく異なります。
まとめ
「小規模宅地等の特例」は、相続税対策として有効ですが、適用には上限面積や土地の種類など、様々な条件があります。
複数の土地を所有している場合は、どの土地に適用するか、慎重に検討する必要があります。
本記事で紹介した具体例を参考に、自身の土地に特例を適用できるかどうか、ぜひ確認してみてください。
相続税対策は早めに行動することが重要です。
他の記事も参考に、相続対策について学び、安心な未来を築きましょう。
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