フリーランスの経費按分の方法

確定申告

もうすぐ始まる確定申告に伴い、
準備を始められているフリーランスの方も
多いかと思いますが、
その中で悩ましいものの一つが
「家事按分」ではないかと思います。

今回は、家事按分について
紹介します。

家事按分が必要な経費とは

まずは、「家事按分」が必要な経費ですが、
支出の内容が事業とプライベートに
混載するような支出となります。

具体的には、以下のような経費は、
事業とプライベートが混ざっている
可能性が高いと言われています。

・家賃(事務所兼自宅)
・電気代
・通信費
・ガソリン代(事業と自家用の兼用)

上記のような支出は、事業の部分と
プライベートの部分が混ざっており、
そのうち、事業の部分だけ抜き出して
必要経費に算入する

という作業が必要になります。

それでは、次の章からは
具体的にどのように事業部分を抜き出すのか
をご紹介します。

画像

どのように按分計算するのか

それでは、各々の経費を
どのように按分するのかですが、
特に明確な決まりはなく
個々の事情に合わせて合理的に按分比率を求める
ことになります。

よって、自身の事業の実態に合わせて
合理的に比率を求める作業が必要となります。

それでは、個別に一般的な
算定方法をご紹介します。

家賃

家賃の按分計算について、
最もよく使われるのが、「面積比」です。

全体の面積に対する
事務所や倉庫などで使用している
面積の比率を求める方法です。

◆具体例
全体の面積:50㎡
事務所の面積:10㎡
事業の比率:10㎡÷50㎡=20%

上記の具体例では、
家賃のうちの20%が事務所と考え
必要経費に算入します。

電気代

次に電気代ですが、「業務の時間」により
按分する方法が一般的です。

◆具体例
1週間の業務時間:8時間×5日=40H
1週間の時間:24H×7日=168H
事業の比率:40H÷168H=23.8%

上記の例では、1週間のうちの業務の時間である
40H(23.8%)分の電気代を必要経費に
算入する方法です。

その他にも、コンセントの数で
事業比率を求める方法等もあります。

通信費

インターネットなどの使用料ですが、
業務中ずっとインターネットを使用する場合には、
使用日数」から算出する方法が考えられます。

◆具体例
1週間の稼働日数:5日
事業の比率:5日÷7日=71.4%

上記のように、常にインターネットを使用する場合には、
日数で計算する方法が簡単です。

ただ、インターネットを事業以外にも利用する場合は、
使用時間」から求めましょう。

◆具体例
1週間の総使用時間:10H×7日=70H
1週間の業務使用時間:8H×5日=40H
事業の比率:40H÷70H=57.1%

プライベートでも使用する場合は、
使用時間で算出するようにしましょう。

ガソリン代

ガソリン代ですが、最も合理的なのは
走行距離」で求める方法です。

◆具体例
1ヶ月の走行距離:1,000km
1ヶ月の業務での走行距離:100km
事業の比率:100km÷1,000km=10%

上記の例では、10%を
事業の必要経費として算入します。

その他にも、
事業で使用した「日数」で算出する
方法も考えられます。


会計処理は?

それでは、具体的には
どのように会計処理をするのかですが、
以下の具体例の通りとなります。

◆具体例
1年間のガソリン代が120,000円の場合
事業の比率:10%
支払時の会計処理:全額車両費に計上

(借方)事業主貸 108,000円 / (貸方)車両費 108,000円

上記の例では、年間のガソリン代120,000円のうち、
10%の12,000円を車両費として必要経費に算入し、
残りの108,000円は、プライベート分として
「事業主貸」へ振替を行っています。

会計ソフトを使用している場合は、
上記のような仕訳を
手入力することになります。


なお、会計ソフトによっては
自動で計算する機能もあります。

ここでは、マネーフォワードの
クラウド確定申告の機能について、
ご紹介します。

「家事按分」の使い方 | マネーフォワード クラウド確定申告サポート<マネーフォワード クラウド確定申告>「家事按分」の使い方。ご不明点、困った時はこちらをご確認ください。biz.moneyforward.com

マネーフォワードでは、
「家事按分」機能が備わっています。

こちらでは、家事按分比率を
あらかじめ設定しておくことで
先程の仕訳が自動で作成されます。

その際に重要になるのが
補助科目」を設定することです。

場合によっては、同じ勘定科目のなかでも
家事按分が必要な場合と
家事按分が必要ない場合が
存在する可能性があります。

その場合、日々の経理処理において、
家事按分が必要な科目と必要のない科目を
「補助科目」で区別
しておくと
上記の問題が解決され
非常に便利です。


まとめ

今回は、確定申告の際の
「家事按分」について、
ご紹介しました。

自宅と事務所を兼用する
フリーランスの方は多いかと思いますが、
間違っても家賃を100%必要経費に算入するなど、
必要以上に必要経費に算入することがないよう
注意しましょう。

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