そごう・西武のM&Aを考察

事業承継・M&A

今回は、M&Aに関して考えてみます。

最近のニュースでM&Aといえば
そごう・西武を思い浮かべる方も
多いのではないかと思います。

このM&A、従業員による反発で
ストライキに突入するという
最悪の事態を招いてしまいました。

ここで、今回はそのM&Aについて
色々な立場から考えてみます。

(社説)そごう・西武ストが投じたM&Aの課題 – 日本経済新聞そごう・西武の労働組合が西武池袋本店(東京・豊島)でストライキを決行した。親会社のセブン&アイ・ホールディングスはwww.nikkei.com

会社が優先すべきこと

このニュースを見た時、
ある経営者の方の記事を
思い出しました。

その経営者の方は元カルビーの松本晃氏で、
会社がステークホルダーに対し、
果たすべき責任は、
優先すべき順番が大切と言われております。

① 顧客と取引先
② 従業員とその家族
③ コミュニティ(地域社会や地球環境等)
④ 株主

経営者として楽しく、やりがいを感じること

松本氏は、経営者としての
楽しい事ややりがいを感じる事は、
以下だと言われています。

1番:お客様を喜ばせること
2番:従業員とその家族を喜ばせること

まずは、1番の「お客様

お客様が求めることに耳を傾け、
喜んでもらえる物・コトを作る。

そして、喜んでもらう。

当たり前の事なんですが、
「徹底して常にやる」
ことができているのか、
自分自身への反省の念もこめて、
考えなければいけません。

次が、「従業員とその家族」。

とにかく給料を上げて喜んでもらう。

「頑張ったら、給料が上がる」
というのは、ごく普通に聞くこと。

でも松本氏は違います。
給料を上げた。だから頑張れ

完全に発想が逆なのが、お分かりかと思います。

たくさん払えば

いい従業員は頑張る

業績はもっと良くなる

好循環が始まる

従業員が元気で生き生きしている会社は、
活気があって、利益が上がっている。

それは、日頃から社員を大切にしている
からこそ成しえる事だといえると思います。

株主第一主義ではない

上場企業は、最終的に
株主へ利益還元を目指します。

では、先程の優先順位を見ると
「第4位」となっています。

その理由は、短期的視点に陥るからです。

短期的な視点だと、
中長期の戦略を実行しづらくなるからです。

もう一つは、不祥事を起こ
す可能性が高まる
からです。

株主の為に、利益向上だけを目指すと
不祥事を隠したり、
粉飾決算をしかねません。


だから、お客様を大事にし、
従業員を大切にし、
コミュニティを大切にしながら、
結果を出す。

そうすると、
自ずと株主への責任を果たす
という事につながります。

そごう・西武ではどうだったか?

そごう・西武の場合、
セブンイレブンとの相乗効果の思惑が
思ったように行かず、
ヨドバシに任せた戦略はよかったですが、
株主以外のステークホルダーに対して、
不足していたことは、否定できないかと思います。

顧客と取引先

池袋本店がなくなることで
不便になるお客様は多いかと思いますが、
そこは新たな価値を提供することで
お返しするしかないと思います。

しかし、ストライキが決行され
お客様にはご迷惑を掛けてしまった事は、
避けたいところであったかと考えます。

長年、地域に貢献し
M&Aで売却するにしても
後味が少し悪かったのは、
残念な点であったと考えます。

従業員とその家族

ここが、今回の一番のポイント
かと思います。

雇用維持という部分で、
従業員への十分な説明が
不足してしまい、
最悪の事態を招きました。

M&Aは、社員への不安を煽る
恐れがある為、最初は極秘で
進められますが、
決定した後は、丁寧に説明することは、
非常に重要となります。


もっと早くから、
従業員への説明と
買収先への交渉等に
時間を使えていれば、
多少は違っていたのかもしれません。

売却後に従業員自身が
どうなっていくのか、
その雇用維持のイメージをつかんでもらう事が、
重要になってくると考えます。

コミュニティ

コミュニティについても、
地域より批判を受ける結果となりました。

百貨店は、街の象徴・シンボルであり、
顔とも言えます。

住民や地域にとって、
会社側が思っている以上に
百貨店事態に大きな価値
であり、
反発を受けることになりました。


地域において、
雇用や消費を生み出している
会社であれば、
地域住民への丁寧な説明も
非常に重要なことが
今回の件で、再認識されました。


M&A後の、街の新たな姿を
イメージ
してもらいやすい
丁寧な説明が求められます。

結局は、株主優先?

会社側は、
決して株主優先で
進めた訳ではないでしょうが、
株主以外のステークホルダーへは
充分に伝わっていませんでした。

先程の優先順位が念頭にあれば、
結果は違っていたかもしれません。


まとめ

今回は、そごう・西武の
M&Aについて、考えてみました。

結果論だけを見て、
あれやこれやいう事は
非常に簡単です。

実際には、色々な課題を整理して
行った結果が今回の出来事であり、
ほんの一部かもしれません。



ただし、今後M&A市場は、
拡大傾向にあるのは事実です。

中小M&Aにおいても、
今回の事が、今後の教訓のようになれば、
日本の技術力は上手に
継承されていくのではないかと考えます。


迷った時に、
何を道標にするか

を知っているのと
知らないのでは、
結果は大きく変わると思います。

これは、自分自身への指針
という意味でも、
今回のブログを書かせて頂きました。

#日経COMEMO #NIKKEI

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